【音読ジョグ1/3】耳トレ マニュアル

トレーニング

音読ジョグを構成する3つのトレーニングの1つ目は、耳トレです。

以下、耳トレのやり方を説明いたします。

耳トレ(聞き取りとシャドーイング)

各タスクで定められた音源(音声ファイル)を基に以下のように取り組みます。

【目的】 中国語の音を聞き取れる耳を作ります。
※耳トレ、口トレ、脳トレを通じて、中国語の語彙表現を話せる、聞けるレベルで自分の中に浸透させます。
【手順とSMART目標】
音声ファイル(約5分)を最初から最後まで「通して」30分間の間、5〜6回繰り返して聞きます。 (または、音声ファイル(約20〜40分)を最初から最後まで「通して」60分間に2〜3回繰り返して聞きます。) 完全に聞き取れるようになったら、シャドーイングします。

①完全に聞こえるようになることが目標です。
意味が全て理解できるということではなく、音声が一つ残らず聞き取れるという状態です。

②シャドーイングできるようにします
ネイティブの音声を再生し聞きながら、1、2秒程度遅れて聞いた音を再現します。全ての音を発音し、リズムや強弱なども意識して、「音」を真似することに集中してください。
意味については考えないで行ってください(これをプロソディシャドーイングといいます)。 意味を理解しイメージを頭で思い浮かべながら復唱するコンテンツシャドーイングではありません。
自分の声でネイティブの音声が聞こえなくならないように、ヘッドホンをつけて行うことをおすすめします。

※シャドーイングの目的やポイントは本ページの下部に書かれていますのでご一読ください。

※シャドーイングで話す中国語は、母音、子音、声調の観点で正確である必要があります。シャドーイングでこれらが正確にできない場合は、耳トレでシャドーイングは行わないようにしましょう。
【ポイント】
「完全に聞き取る」とは、発音、単語、文章がすべて一つ残らず、明瞭に知覚できることです。意味がわからなくても、発音自体には完全に慣れている状態。意味はわからなくても、音の再生能力はついており、自分で音声そっくりに発音できます。意味がわかる必要はありませんし、記憶する必要もありません。音声を聞いていると、その先の内容がどんどん頭の中に浮かんでくるような状態になります。

・ある箇所を繰り返し聞いたり、省いたりせず、始めから終わりまでを継続して聞いてください。 ・意味に執着しないでください。この単語さえわかれば、全体の意味がわかると思い、調べたりしない。あくまで音に集中してください。音以外を意識すると、せっかく脳内に築かれつつあった分類体系が崩れてしまいます。

・中国語の音に集中して毎日聞いていると、言語をつかさどる脳のある部分に中国語専用の部屋がつくられ、頭の中で中国語がしだいに体系化されていきます。
【時間・量】
1回のトレーニングは30分。(または、音声の長さにより60分)
できるだけ毎日行い、目標達成できるまで1週間〜程度続けましょう。
【完了要件】
一定レベルでシャドーイングできるようになったら、シャドーイングを録音して、コーチに提出してください。

※中国語が完全に聞こえるようになり、シャドーイングの段階に入った時点で提出してください。まだ完全に聞き取れていない場合は、提出物はありません。
トレーニングと録音提出のやり方詳細はこちら(※受講生のみ)

■シャドーイングとは?

シャドーイングは、リピーティングとは異なり、ポーズのない中国語の音を聴きながら少し遅れて同じ中国語の発音を繰り返すトレーニングです。オリジナルの中国語に影(shadow)のように従いついていくことからこの名があります。

母音と子音の発音・声調を磨くとともに中国語に対する反射神経を養ってくれますが、非常に集中力を要しますので、通訳養成学校でも一度に行うのは10分前後のようです。シャドーイングを行う際は、自分の声でモデルの声がかき消されないようにヘッドホンを使う必要があります。

(元の音声)我其实没有明确的记得为什么开始学中文…

(自分の発声) 我其实没有明确的记得为什么开始学中文…

■シャドーイングの目的

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①「音声知覚」力の向上

中国語を聞いて理解するとき、頭の中では中国語の音を知覚する(例えば、yu2の音をyuの第2声として理解する)ための「音声知覚」と、「意味理解」(それが「魚」という意味とわかる)が行われています。

音声知覚に脳のリソースが使われすぎると、意味理解がスムーズに行われません。シャドーイングでは聞いた音声知覚に集中し、これに慣れて意識しなくても自動的に音声知覚できるようにします。

②「音声化」力の向上

自然な発音で中国語を発話できるよう口を慣らします。

■シャドーイングの肝

妥協せずに正確に聞いて、正確に言うことを心がけてください。

モデルの音声についていこうとして、単語の脱落や間違いが起こり、自分でそのことに気づかないということがよくあります。また、急ぐあまりリズム、声調や区切りがめちゃくちゃになりがちです。

また、なんども繰り返すと文を覚えてしまい、モデルの中国語の文より先に文が終わったりすることもありますが、これでは音を聞いてから繰り返すという原則が守れていません。

これらの問題は、自分のシャドーイングを録音してみるとすぐに発見することができます。

■シャドーイングで気をつけること

①目的を意識しているか?

→目的は、中国語の音を掴む耳を作ることです。細部まで集中して聞きます。

②ネイティブ音声を聞いた後に、それを再現しているか?

→ネイティブ音声に追いついたり、離れ過ぎたりしてはいけません。覚えている記憶を使わず、聞いたものを基にして、発音します。

③ネイティブの「音」を真似しているか?

→聴覚印象を保ちそれを真似してください。ピンインに変換して発音しようとせず、音を音としてそのまま再現するような意識でやると、中国語の耳(さらに口)が作れます。

以上です。