中国語「AI会話トレ」トレーニングマニュアル

トレーニング

以下、chatGPTを使った中国語の「AI会話トレ」のマニュアルです。

※現在試験的にこちらのトレーニングを行っています。chatGPTが出力する中国語表現は一部、中国語母語話者からすると意味はわかるが不自然であると感じられるものを含んでいます。

会話トレーニングの本質

中国語で会話できるようになるために、コア能力(C)だけでなく実践能力(P)を高める必要がありあます。実践能力とは、主に以下の2つの力です。

実践能力01:相手から予期しない中国語を浴びせられ、聴解する力

リアルの会話の場合、こちらは「相手が何を発言してくるか」原理的にわかりません。もちろん予測することはできますが、相手は自由に何でも言う可能性があります。この目の前の具体的な状況で、「相手から発せられる予期しない発言を瞬時に聴解することが会話におけるポイントです。

実践能力02:具体的な状況の中で、自分で瞬時に中国語を作文し発話する力

会話の場合、瞬間中作文などで事前に予習していたテストとは違い、その場で、「何を言うか?」を決め、それを中国語で作文し、さらにそれを発話する必要があります。この目の前の具体的な状況に合わせて瞬発的に作文、発声するのが会話において話すことのポイントです。

chatGPTの活用方法

既に英語学習では、chatGPTの活用方法が沢山紹介されています。主に以下の5つの用途があります。

  1. 言語の会話練習を提供
    • リアルな会話シーンを模倣して、学習者のリスニングとスピーキング能力を向上させる。
  2. ミスを修正し、改善提案を提供:
    • 言語の誤りをリアルタイムで指摘し、正しい表現を提示する。
  3. 語彙と文法の説明を提供:
    • 学習者の質問に対して詳しい語彙や文法の解説を行う。
  4. 例文や文章を生成:
    • 指定した単語や表現を使った例文や文章を生成してもらう。
  5. 個別の学習計画を作成:
    • 学習者の目標とレベルに基づいて、会話テーマや難易度を調整する。

この内、2,3,4の目的でchatGPTを使うのは現時点ではあまりおすすめしません。2,3,4の目的で使用する場合、一定の範囲ではchatGPTから正確な回答も期待できますが、一部、知識として間違っていたり、こちらの質問の意図と違う回答が返ってくる可能性があります。初級、中級者であれば、このあたりの正誤を自分で判断するのが難しいですから、自分でこの辺りを疑ったり、判断できるようになるまではやめておきましょう。

PaoChaiではまずは「1」の会話パートナーとして利用することを推奨しています。

レベルに応じて以下の3段階で使うことをおすすめします。

レベルⅠ:自分独自の会話台本を作って、音読ジョグ

  • 対象レベル:
    • コア能力Lv.06クリア以上
  • 目的:
    • 自分が実際に使いそうな会話台本を作成し、会話で使う語彙表現を音読ジョグで身につけます。自分が話しうる内容のオリジナル教材ができるので、効率的に自分が使いそうな語彙表現を獲得できます。
    • こちらは上記の実践能力01と実践能力02には直接は繋がりませんが、その前段階で会話表現を学びます。
  • やり方
    • ポイント
      • この学習では、chatGPTの音声モードは使いません。文字=タイピングで会話していきます。
    • 1回60分のトレーニング
      • step1:〜15分:日本語で会話台本を作成
        • まずは日本語で会話します。以下のプロンプトを送り、会話をしてみましょう。最低5往復(学習者の回答とchatGPTの回答・質問で1往復)はするようにしてみてくだい。
          • 使用プロンプト
            • あなたと会話の練習がしたいです。
            • 会話のお題を3つ提示してください。
            • その内の1つに私が回答するので、さらにそのお題で掘り下げて質問してください。
      • step2 :〜20分
        • 日本語でchatGPTと会話した日本語台本を中国語にして、単語ノートを作ります。
        • 使用プロンプト
          • 上記のあなたと私の発言を全て中国語に翻訳してください。
          • その際に、各発言について①ピンインと②中国語の単語リスト(ピンインと日本語の意味)もつけてください。
  • 使用プロンプト
    • なし
    • 後半30分〜40分:音読ジョグ
      • 自分自身とchatGPTの発話部分を台本として、それぞれの発話を音読していきます。
      • 完了要件
        • 台本内容と、音読ジョグの録音提出

レベルⅡ:ゆっくり確認しながら会話

  • 対象レベル:
    • コア能力Lv.08クリア以上
  • 目的:レベルⅠとⅡの中間
  • やり方:
    • ポイント
    • 具体的な手順
      • 使用プロンプト
        • 私は今から中国語の会話を練習したいです。以下の4つ規則で進行お願いします。
        • 規則1:chatGPTは全て中国語で回答してください。
        • 規則2:chatGPTは中国語で回答する場合、中国語の回答に①日本語訳と②ピンイン、さらに③単語リストも追加してください。
        • 規則3:私はできるだけ中国語で会話します。まだ中国語は勉強中なので、不自然な表現や間違いがあれば、指摘し、正しい表現を提案してください。
        • 規則4:私が日本語で回答する場合は、その日本語をを①自然な中国語に訳して、さらに②ピンインと③単語リストも追加してください。
    • 完了要件

レベルⅢ:瞬発的な実践的会話

  • 対象レベル:
    • コア能力Lv.08クリア以上
  • 目的:
    • 実践能力を高めるため、中国語の瞬発的な聴解力や作文、発話力を高めます。
  • やり方:
    • ポイント
      • chatGPT4oの音声機能を使います。
    • 具体的な手順
      • 中国語で会話しましょう。
      • 使用プロンプト
        • あなたと中国語会話の練習がしたいです。
        • 会話のお題を3つ提示してください。
        • その内の1つに私が回答するので、さらにそのお題で掘り下げて質問してください。
        • 最低以下を行いましょう。
        • 5回質問をして意見、情報を聞き出す
        • 5回(質問されて)意見、情報を伝える
        • 完了要件

注意点:全レベル共通

ChatGPTはその特性上、利用時にいくつか注意すべき点があります。

文脈の誤解

ChatGPTは、長い会話や複雑な文脈を完全に理解することが難しい場合があります。特に、複数回のやり取りを重ねる場合、過去の発言や細かいニュアンスを見落としたり、誤解したりする可能性があります。また、一義的に理解できない表現を使うと、人のように補って解釈できないことがあります。

そのため、ChatGPTを利用する際は、重要な学習ポイントや文脈を明確に伝え、必要に応じて繰り返し確認することが大切です。曖昧な表現を避け、できるだけ具体的かつ簡潔に伝えるように心がけましょう。

最新情報の限界

ChatGPTは、最終的なトレーニングデータまでの情報しか持っていません。そのため、最新のスラング、流行語、または文化的なイベントに関する情報を提供することが苦手です。

特に、現代の言葉遣いや表現を学ぶ際には、この限界が学習の妨げになる可能性があります。ChatGPTだけに頼るのではなく、他の最新の情報源も併用することが重要です。

発音矯正や複雑な文法説明の限界

ChatGPTは基本的にはテキストベースのシステムであるため、発音指導には適していません。また、非常に複雑な文法問題を解説する際に、誤解を招く説明をしてしまう可能性があります。

特に、細かい文法のニュアンスや高度な言語学習者が直面する疑問に対しては、ChatGPTによる詳細な指導やフィードバックには限界があります。これらの領域では、人間の教師やネイティブスピーカーのサポートを求めることも検討しましょう。

chatGPTで中国語学習する際は、文法知識を問うたり、会話で何かしらの情報を得ようなどと「知識を得る」ことを目的にしないほうが良いでしょう。冒頭に書いた通り、瞬発的に実践能力01と02を鍛えるために使う、ということで、話の内容や正確性についてはあまりこだわらないほうが良いでしょう。

ChatGPTは強力な中国語学習ツールですが、万能ではありません。その限界を理解し、適切に活用することが重要です。ChatGPTを上手に利用しつつ、他の学習リソースも併用することで、より効果的な英語学習を進めることができるでしょう。