目標
次の学習で実際に基本単母音6つ(a, o, u, e, i, ü)を正確に発音できるようにするため、 単母音(基本)についての知識を学びます。
単母音(基本)についての知識
動画で単母音(基本)を学ぶ
以下の動画を見て、基本単母音6つ(a, o, u, e, i, ü)の特徴を理解し、真似しながら発音してみましょう。実際のトレーニングは次の学習で行います。
※動画では四声(第1声〜第4声全て)で読んでいますが、難しければ第1声だけで練習してください。また、見本が速すぎる場合は、画面右下の歯車マーク(設定)からスロー再生(0.75倍)などに調整してみてください。
※YouTubeで広告が入ってしまう場合、こちら(受講生のみ)で元データの動画の閲覧が可能です。男性版の音源もご利用いただけます。
各声調の解説(動画内の記述と同じ)
1 | a | ① 日本語「あ」より口を大きく開けます ② 日本語「あ」より喉の奥から声を出します ※口の後ろよりの音です |
2 | o | ① 日本語「お」より口を突き出します(筒のようなイメージ) ② 日本語「お」より喉の奥から声を出します ※口の後ろよりの音です |
3 | e | ① 日本語「え」の口の形を保ったまま、口の中では「お」を出します ② 喉の奥を力ませるのがポイントです ③ 日本語「え」の口の形を保つことが重要です(口を丸めたり、突き出さない) ※口の後ろよりの音です |
4 | i | 日本語「い」よりしっかりと左右に引きます |
5 | u | ① 日本語「う」より唇を前に突き出します ② ただしラッパのように唇を外に開かず、唇の少し内側に力を入れてすぼめるようなイメージ ③ 日本語「う」と異なり、口の中で舌を奥に引きます(口の中では「お」を発すると、舌が引けます) ※舌を引くと口の中が広がり、響くような感じがあります ※口の後ろよりの音です |
6 | ü | ① 日本語の「ゆ」の口の形(口笛を吹くような唇の形)で唇を内側にすぼめた形(すぼめて両唇が少し触れ合う程度)を作ります ② そのまま口の形を保ったまま、口の中では「い」を出します ③ 日本語の「ゆ」にならないように注意。「う」より「い」に近い音になります ※口の後ろよりの音です |
1.母音の全体像
本タスクでは「単母音(基本)」の知識を理解します。
発音の全体像の中で「単母音」の位置づけを確認します。
以下「410音節表」の中で、
「単母音(基本)」はオレンジ色の部分です。単1〜単6まであるのが見えます。
(「単母音(特殊)」は肌色の部分です。単特1〜単特3まであるのが見えます。こちらはB012とB013で学びます。)
以下、母音の全体像をおさらいします。
母音は38種類あります。多く見えますが6種類の「単母音(基本)」が全ての土台になります。あとは「単母音(特殊)」が3種類あり、その他は単母音の組み合わせである「複母音」と末尾にnやngがついた「鼻母音」です。
基本の6種類の単母音をまずは徹底してトレーニングし習得してください。ここが不安定だとそれがベースとなる多くの母音に影響が出てしまいます。
母音(38種類)
- 単母音(9種類)
- 基本単母音(6種類)a, o, u, e, i, ü ←【重要】全ての母音の基礎
- 特殊単母音(3種類)er, (z,c,s)i, (zh,ch,sh)i
- 複母音(13種類)
- 二重母音 ai, ei, ao, ou, ia, ie, ua, uo, üe
- 三重母音 iao, iou, uai, uei
- 鼻母音(16種類)
- an, uan, ian, üan, ang, uang, iang
- in, ün, ing
- en, uen, eng, ueng
- ong, iong
今回は上の青色になっている基本単母音(6種類)の発音の仕方を知識として学びます。
2.単母音(基本)
単母音の種類は6つです。
日本語の「発声の軸」を基本に、「口の形」「ワンポイント」で調整して中国語の音にしていきます。
口の形
特に「口(唇)の形」が丸口か平口かを意識するとメリハリある発音ができます。丸口は唇が丸く、平口は唇が平べったい口の形です。丸口でもoとuは頬が狭まり口を突き出すような形を作ることが重要です。
※口の形を変えない!単母音(基本も特殊も)全てに共通することとして、発音中に口の形は変えません(口の動きがない)。
(一方で、先の学習で学ぶ複母音、鼻母音は発音中に口を動かす必要があります)。
ID | 母音カテゴリ | 発音↓ | 発声の軸 | 口の形 | ワンポイント |
H01 | 単_1 | a | 右記の口の形で、 はっきりと日本語の「あ」(声帯を振動させる) | 【丸口】 広く、大きく開く | 縦にも横にも広く口を開けるイメージ |
H02 | 単_2 | o | 右記の口の形で、 のどの奥から日本語の「お」(声帯を振動させる) | 【丸口】 「お〜」と感心するように唇を突き出す | ー |
H16 | 単_4 | i | 右記の口の形で、 日本語の「い」(声帯を振動させる) | 【平口】 日本語の「い」よりしっかりと左右に引く | ー |
H26 | 単_5 | u | 右記の口の形で、 はっきりと日本語の「う」(声帯を振動させる) | 【丸口】 ・唇をすぼめて前に突き出す(唇を突き出すが、ラッパのように唇を外に開かず、唇の内側に力を入れてすぼめるようなイメージ。) | ※下部の特記事項をご確認ください。 |
H03 | 単_3 | e | 右記の口の形で、 ・のどの奥に力を入れて日本語の「お」 ・聞き手には「う」や「お」と聞こえるようなあいまいな音になる | 【平口】 ・日本語の「え」の口の形でリラックスした感じ、或いは、微笑むときのような口の形のイメージ ・上下の歯を噛み合わせず、少し隙間をとる | 背中から誰かに刺されたようなイメージで喉の奥から「ぅあ」 |
H35 | 単_6 | ü(yu) | 右記の口の形で、 日本語の「い」 | 【丸口】 日本語の「ゆ」の口の形(口笛を吹くような唇の形)で唇を内側にすぼめた形(すぼめて両唇が少し触れ合う程度) | ローマ字yuの見た目につられて、決して「ゆ」と発音しないよう注意。 |
※このH26「u(wu)」の発音は、唇をすぼめて(丸めて)突き出して発音しさえすれば良いとされることが多い(しかも、それでネイティブに通じる)ですが、より自然な発音を目指すのではあれば、もう一点注意が必要です。
「u(wu)」は、唇をすぼめて突き出すよりも、口の中の空間を広くすることが重要です。口の中を広くするために、舌を下奥に引き、奥歯をかまない。日本語の「お」を発音するときのイメージ。日本語の「う」は舌を引かず、奥歯は軽くかんでいるので、日本語の「う」のイメージだと、いくら唇を突き出しても口の中の空間が狭くては、「u(wu)」にはならず、日本語の「う」になりがち。これでも通じますが、中国語らしくないので注意。
ピンイン表記の注意点
- 子音がつかず単母音iだけで音節をなす場合はyiと表記。(四声の記号はiの上の点をとり、そこにつける。)
- 子音がつかず単母音uだけで音節をなす場合はwuと表記
- 子音がつかず単母音üだけで音節をなす場合はyuと表記
3.役立つ参考情報(基本単母音)
本タスクを学習する上で参考になるネット上の情報を整理してお届けします。
以下、YouTubeで公開されている動画を厳選しています。様々な角度から、色々な先生やネイティブの方々が独自の方法で説明しています。自分にしっくりくる説明を探してみましょう。
(1)カエルライフ:eの発音方法
(2)カエルライフ:üの発音
(3)李姉妹CH:発音が確実に上達する練習法
(4)蘭ちゃん中国語:中国語入門1【単母音ネイティブ発音】口作り
(5)語林中国語教室:単母音「だれでも苦手のeとüにコツがある」
(6)ガチンコ中国語:日本人が間違えやすい“E”のすべての発音
(7)加藤徹先生:声門閉鎖と単母音
(8)日本人のための中国語発音完全教本
以上です。加油〜!
ーーー以上(学習内容はここまでです。辛苦了!)ーーー