目標
次の学習で実際に子音(21種類)を正確に発音できるようにするため、 子音(21種類)についての知識を学びます。
子音についての知識
動画で子音を学ぶ
以下の動画を見て、子音(21種類)の特徴を理解し、真似しながら発音してみましょう。実際のトレーニングは次の学習で行います。
※手鏡やスマホのカメラなどで「ご自身の口の形」と「動画のネイティブの口の形」の両方を確認しながら、しっかり口の形を作りましょう。自分の口は自分で思っているほど動いていないことがあります。
※動画では四声(第1声〜第4声全て)で読んでいますが、難しければ第1声だけで練習してください。また、見本が速すぎる場合は画面右下の歯車マーク(設定)からスロー再生(0.75倍)などに調整してみてください。
※YouTubeで広告が入ってしまう場合、こちら(受講生のみ)で元データの動画の閲覧が可能です。男性版の音源もご利用いただけます。
各声調の解説(動画内の記述と同じ)
唇音 (しんおん) | 破裂音、無気音 | 1 | bo | ①両唇を閉じます ②唇を離し、「ブォー」のイメージで出します ③息は前に出さないように(無気音) ※母音oは筒のように口を突き出します |
破裂音、有気音 | 2 | po | ①両唇を閉じます ②唇を離し、「プッ」と息を出します(有気音) ③息が出た後に、母音oが出るイメージです ※母音oは筒のように口を突き出します | |
鼻音 | 3 | mo | ①両唇を閉じます ②唇を離し、日本語のマ行の要領で発音します ※母音oは筒のように口を突き出します | |
摩擦音 | 4 | fo | ①上の前歯を下唇に当てて摩擦させfを出します ②唇を巻かないように注意!前歯が自然に当たる場所(下唇)に当てます ※母音oは筒のように口を突き出します ※fは唇を使いますが、hは喉を使います。 | |
舌尖音 (ぜっせんおん) | 破裂音、無気音 | 5 | de | ①舌先を上の前歯の裏に当てます ②息を出さないようにdを発音し、続けてeを出します(無気音) ③eを出すときは舌先は前歯から離れています ※eは喉の奥を力ませます |
破裂音、有気音 | 6 | te | ①舌先を上の前歯の裏に当てます ②息を強く出しtを発音し、続けてeを出します(有気音) ③eを出すときは舌先は前歯から離れています ※eは喉の奥を力ませます | |
鼻音 | 7 | ne | ①舌先を上の前歯の裏に当てます ②日本語のナ行の要領でnを発音し、続けてeを出します ③eを出すときは舌先は前歯から離れています ※eは喉の奥を力ませます | |
側面音 | 8 | le | ①舌先を上の前歯の裏に当てます ②舌先を前歯に押し当てて両サイドから息を出しlを発音し、続けてeを出します ③eを出すときは舌先は前歯から離れています ※eは喉の奥を力ませます | |
舌根音 (ぜっこんおん) | 破裂音、無気音 | 9 | ge | ①舌の奥と喉の奥でgを出します ②息は出さないようにgを発音します(無気音) ③eを出すときは舌は喉の奥から離れています ※eは喉の奥を力ませます |
破裂音、有気音 | 10 | ke | ①舌の奥と喉の奥でkを出します ②息を強く出しkを発音します(有気音) ③eを出すときは舌は喉の奥から離れています ※eは喉の奥を力ませます | |
摩擦音 | 11 | he | ①喉の奥の方で、息の通路を狭めてhを出します ②日本語のハ行とは異なり、hは喉の奥で摩擦させる音です ③eを出すときは舌は喉の奥から離れています ※eは喉の奥を力ませます ※fは唇を使いますが、hは喉を使います。 | |
舌面音 (ぜつめんおん) | 破擦音、無気音 | 12 | ji | ①息を出さずに「ジー」と発音します(無気音) ②舌の腹(舌面)が上あごと広く当たります ※iは口をしっかりと横に引きます |
破擦音、有気音 | 13 | qi | ①息を強く出し「チー」と発音します(有気音) ②舌の腹(舌面)が上あごと広く当たります ※iは口をしっかりと横に引きます | |
摩擦音 | 14 | xi | ①「シー」と発音します ②舌の腹(舌面)が上あごと摩擦します ※iは口をしっかりと横に引きます | |
そり舌音 (そりしたおん) | 破擦音、無気音 | 15 | zhi | ①舌先を反り、上あごの凹みのあたりに軽く当てます ②反って当てたまま「ジー」のような音を出します ③舌先と上あごの接点でしっかりzh出す意識を持ちましょう ※息は出しません(無気音) ※zhiのiは特殊な母音iです。ji qi xiなどのiとは異なります。zhiのiの母音は弱く、ほとんど子音の音になります |
破擦音、有気音 | 16 | chi | ①舌先を反り、上あごの凹みのあたりに軽く当てます ②反って当てたまま「チー」のような音を出します ③舌先と上あごの接点でしっかりch出す意識を持ちましょう ※息は強く出します(有気音) ※chiのiは特殊な母音iです。ji qi xiなどのiとは異なります。chiのiの母音は弱く、ほとんど子音の音になります | |
破擦音、有気音 | 17 | shi | ①舌先を反り、上あごの凹みのあたりに近づけます ②当たるか微妙なところで摩擦させ「シー」のような音を出します ③舌先と上あごの接点でしっかり摩擦させshを出す意識を持ちましょう ※shiのiは特殊な母音iです。ji qi xiなどのiとは異なります。shiのiの母音は弱く、ほとんど子音の音になります | |
摩擦音 | 18 | ri | ①舌先を反り、上あごの凹みのあたりに近づけます ②当たるか微妙なところで摩擦させ「イー」のような音を出します ③舌先と上あごの接点でしっかり摩擦させrを出す意識を持ちましょう ※shとの違いは声帯を振動させるところです | |
舌歯音 (ぜっしおん) | 破擦音、無気音 | 19 | zi | ①口を横に引いた「い」の形を作ります ②舌先を上の前歯の裏に当てて「ヅー」のような音を出します ③息は出しません(無気音) ※ziのiは特殊な母音iです。ji qi xiなどのiとは異なります。ziのiの母音は弱く、ほとんど子音の音になります ※「ヅー」のように聞こえるだけで、「う」の母音とは全く異なります。口を絶対に丸めないでください |
破擦音、有気音 | 20 | ci | ①口を横に引いた「い」の形を作ります ②舌先を上の前歯の裏に当てて「ツー」のような音を出します ③息を強く出します(有気音) ※ciのiは特殊な母音iです。ji qi xiなどのiとは異なります。ciのiの母音は弱く、ほとんど子音の音になります ※「ツー」のように聞こえるだけで、「う」の母音とは全く異なります。口を絶対に丸めないでください | |
摩擦音 | 21 | si | ①口を横に引いた「い」の形を作ります ②舌先を上の前歯の裏に摩擦させ「スー」のような音を出します ※siのiは特殊な母音iです。ji qi xiなどのiとは異なります。siのiの母音は弱く、ほとんど子音の音になります ※「スー」のように聞こえるだけで、「う」の母音とは全く異なります。口を絶対に丸めないでください |
1.子音の知識
子音を理解するには次の3ポイントから理解しましょう。
- 発音の方法(音を出す方法)
- 使う部位(主に意識する部位)
- 舌尖(舌先)の位置(発音開始時)
ポイント1−1:発音の方法(基本5種類)
- 【破裂音】息をせき止めて破裂させる→b,p,d,t,g,k,
- 【摩擦音】息を狭い隙間に通して摩擦させる→f,h,x,sh,r,s
- 【破擦音】破裂のあと摩擦させる→j,q,zh,ch,z,c
- 【側面音】舌の両サイドから息を通す→l
- 【鼻音】鼻に息を通す→m,n
※赤字は有気音
ポイント1−2(発音の方法):有気音と無気音
ポイント1−1の「破裂音」と「破擦音」は、さらに「有気音」と「無気音」の2種類に分けられれます。
「有気音」と「無気音」は、一般的に中国語の発音として大々的に取り上げられますが、以下のポイントを押さえておく程度でよいでしょう。
「無気音」とは、
軽い破裂の後、息を吐かないようにして母音を発音します。
「有気音」とは、
- 強い破裂の後、母音の発音との間に、息を強く吐く瞬間をとってから母音を発音します。
- 口の前にティッシュを手に持ち、このティッシュが揺れるくらい息を強く出します。「無気音」ではほとんど揺れません。後述の通り、息を勢いよく発する意識よりも、息でせき止めを開放することを意識してください。
- 唇や舌が力みすぎないようにしましょう。
- 空気の流れをせき止めている部位を楽にして開放させるように息を出します。この「せき止めを突き抜けるときに生じる「音」が有気音の特徴であり中国語ネイティブが認識するところです。
子音各グループで対応する「無気音」と「有気音」はそれぞれb―p、d― t、gーk、j― q、zh― ch 、z―c です。「有気音」paは日本語の「パ」を派手に強めに発音し、「無気音」baは日本語の「バ」を力まず軽めに発音すればほぼ問題ありません。その他の「有気音」「無気音」も同じ要領で発音します。
▼さらに詳しく→中国語の【有気音と無気音】ポイントは声の大きさではなく「息の音」
ポイント2:使う部位(基本6グループ)
子音は21種類あり、発音のとき(ポイント1の発音の方法で)「使う部位」により以下6つのグループに分けられます。以下の括弧内の番号は下図の番号の部位を示しています。
①唇音(しんおん)b,p,m,f
b,p,mは「上唇(2)」と「下唇(21)」を使います。
- 唇を閉じ、息をせき止めて、そっと破裂する→b
- 唇を固く閉じ、息をためて激しく破裂する→p
- 唇を固く閉じ、息を鼻に抜けるように送る→m
fは「上歯(3)」と「下唇(21)」を使います。
- 上の前歯で唇を軽く押さえて、その隙間から摩擦させて息を出す→f
- 上の歯を当てる下の唇の位置は、自然に下ろすと当たる内側の粘膜あたり
②舌尖音(ぜっせんおん)d,t,n,l
「舌尖(17)」を「上歯茎(4)」につけ、息をせき止め、
- そっと破裂する→d
- 激しく破裂する→t
「舌尖(17)」を「上歯茎(4)」につけ、
- 息を鼻に抜けるように送る→n
- 舌の両サイドから息を流して出す→l
③舌根音(ぜっこんおん)g,k,h
舌の付け根「舌根(13〜14)」の部分を「上あごの後部(8)」に押し付け、息をためて、
- そっと破裂する→g
- 激しく破裂する→k
舌の付け根「舌根(13〜14)」の部分を「上あごの後部(8)」に押し付けずに近づけて、
- その隙間から摩擦させて息を送り出す→h
※hの発音の注意点
- hはg、kよりもさらに喉元奥から、口蓋垂(こうがいすい)(9)を震わせるようなイメージで、喉元を強く摩擦させます。
- hは、日本語の「フ」のように、両唇による摩擦音ではありません。唇は全く使わず、喉の奥を摩擦させます。
- 冷たい手を暖めようと両手を口元に添えて喉の奥から「ハー」と息をかけるようなイメージです。
④舌面音(ぜつめんおん)j,q,x
「舌面の前部(15〜16)」を「上あごの前部(5〜6)」に付け(舌先は「下の歯」の裏)、息をせき止め、
- そっと破擦させて出す→j
- 激しく破擦させて出す→q
※qは常識的なローマ字の読み方と異なるので注意してください。どんな母音と組み合わさっても「キ」ではなく「チ」の音で始まります。
「舌面の前部(15〜16)」を「上あごの前部(5〜6)」に近づけて、
その隙間から摩擦させて息を出す→x
⑤そり舌音(そりじたおん)zh,ch,sh
舌先(17)を(そらして)「上あごの前部、、歯茎の奥の方(5)」に支えるように当てて息をせき止め、
- そっと破擦して出す→zh
- 激しく破擦→ch
舌先(17)を(そらして)「上あごの前部、、歯茎の奥の方(5)」に(※当てずに)近づけて、
- その隙間から息を摩擦して出す→sh
- 声帯を振動させる(口の奥の方で音を出すイメージ)→r
※そり舌音は、舌を口の中で宙に浮かせ、舌先だけを「上あごの前部」辺りに当てる(zh,ch)或いは摩擦させる(sh,r)ことが重要です。これは「巻舌音」とか「捲舌(けんぜつ)音」などとも呼ばれますが、舌をそらしたり巻いたりする意識よりも、重要なことは、舌が下あごから離れている、つまり舌が宙に浮いている状態で、あり舌先だけが上についているか接していることが大切です。
※r-は、破裂もなく、摩擦もsh‐ のようにはっきりしないため、捉えにくい子音ですが、zhi、chi、shiのどれでもそのまま発音を引き延ばせば、結局riの発音になるので、改めてその音をリピートすればうまくできます。「舌尖音」liのように舌先を上歯茎につけてはいけません。
⑥舌歯音(ぜっしおん)z,c,s
歯をかみ合わせ、「舌先より少し奥(16)」を「上の前歯の裏(4)」に当て、息をせき止め、
- そっと破擦させて出す→z
- 激しく破擦させて出す→c
※cはどんな母音と組み合わさっても「力」ではなく「ツ」の音で始まります。
「舌先より少し奥(16)」を「上の前歯の裏(4)」に近づけて、
- その隙間から息を摩擦して出す→s
ポイント3:舌尖(舌先)の位置(発音開始時)
舌尖(舌先)の位置(発音開始時)
- 唇音(しんおん)b,p,m,f
- 舌尖音(ぜっせんおん)d,t,n,l
- 舌根音(ぜっこんおん)g,k,h
- 舌面音(ぜつめんおん)j,q,x
- そり舌音(そりしたおん)zh,ch,sh
- 舌歯音(ぜっしおん)z,c,s
2.役立つ参考情報
以下、YouTubeで公開されている動画を厳選しています。様々な角度から、色々な先生やネイティブの方々が独自の方法で説明しています。自分にしっくりくる説明を探してみましょう。
(1)語林:中国語発音「有気と無気、子音を出す場所を覚えよう」
(2)ネイティブ蘭ちゃんとChinese:中国語ピンイン子音完全マスター
(3)李姉妹CH:絶対上達する発音のコツ 子音編
(4)加藤徹先生:子音
(5)日本人のための中国語発音完全教本
以上です。加油〜!
ーーー以上(学習内容はここまでです。辛苦了!)ーーー