【中国語】発音基礎04:鼻母音

発音基礎

目標

次の学習で実際に鼻母音(16種類)を正確に発音できるようにするため、 鼻母音(16種類)についての知識を学びます。

 鼻母音についての知識

動画で鼻母音を学ぶ

以下の動画を見て、鼻母音(16種類)の特徴を理解し、真似しながら発音してみましょう。実際のトレーニングは次の学習で行います。

※動画では四声(第1声〜第4声全て)で読んでいますが、難しければ第1声だけで練習してください。また、見本が速すぎる場合は画面右下の歯車マーク(設定)からスロー再生(0.75倍)などに調整してみてください。

※YouTubeで広告が入ってしまう場合、こちら(受講生のみ)で元データの動画の閲覧が可能です。男性版の音源もご利用いただけます。

各声調の解説(動画内の記述と同じ)

1an①日本語「案内(あんない)」の「あん」の感じです
②舌先を前歯の裏に当てて、音を切ります
2ang①日本語「案外(あんがい)」の「あん」の感じです
②口は開き気味で舌先はどこにも当たらず、音を喉の奥から鼻に抜き響かせて終わります
3en①日本語「えん」を喉の奥から言う感じです
②nは舌先を前歯の裏に当てて、音を切ります
4eng①日本語「え」の口を保ったまま、口の中は日本語で「おん」と言う感じです
②喉の奥に力を入れて、eを出します
③ngは口は開き気味で舌先はどこにも当たらず、音を喉の奥から鼻に抜き響かせて終わります
5uan①anの最初にuをつけて発音します
②uはしっかり口を突き出しましょう
6uang①angの最初にuをつけて発音します
②uはしっかり口を突き出しましょう
7uen
(-un)
①enの最初にuをつけて発音します
②uはしっかり口を突き出しましょう
8ueng①engの最初にuをつけて発音します
②uはしっかり口を突き出しましょう
9in①iとnを繋げて発音します
②nは舌先を前歯の裏に当てて、音を切ります
10ing①iとngを繋げて発音します
②ngは口は開き気味で舌先はどこにも当たらず、音を喉の奥から鼻に抜き響かせて終わります
③舌の奥を力ませます
※iとngの間にeのような音が入ることもあります
11ün①üとnを繋げて発音します
②nは舌先を前歯の裏に当てて、音を切ります
③üとnの間にiのような音が入ることもあります
12ong①oとngを繋げて発音します
②ngは口は開き気味で舌先はどこにも当たらず、音を喉の奥から鼻に抜き響かせて終わります
③oははっきりと筒のような形に突き出します
13iong①iとongを繋げて発音します
②ngは口は開き気味で舌先はどこにも当たらず、音を喉の奥から鼻に抜き響かせて終わります
③oははっきりと筒のような形に突き出します
14iang①iとangを繋げて発音します
②ngは口は開き気味で舌先はどこにも当たらず、音を喉の奥から鼻に抜き響かせて終わります
③aははっきりと大きく口を開けましょう
15ian①iとanを繋げて発音します
②このaは日本語「え」の音に近くなります(iとnの閉じる口の形に影響されて)
③nは舌先を前歯の裏に当てて、音を切ります
16üan①üとanを繋げて発音します
②このaは日本語「え」の音に近くなります(üとnの閉じる口の形に影響されて)
③nは舌先を前歯の裏に当てて、音を切ります

1.鼻母音の発音ポイント

単母音、複合母音のあとに「ん」(nまたはng)がついた母音を鼻母音(びぼいん)といい16種類あります。 日本語で「ん」に似ているこの発音は、中国語では[ n ]と[ ng ]の二つに分かれます。

  1. 「n」と「ng」の発音の「聞き分け」はネイティブでも難しいレベルなので、学習者は(まずは)発音するときにその違いを意識しましょう。
  2. -n:
    • nは日本語の「アンナイ(案内)」の「ン」(舌先は最後上歯ぐきにぴつたりつく)の要領です。舌先を上歯裏と上歯茎のあたりにピッタリとつけ、「―ンヌ」のように鼻に息をためるような気分で発音します。ーnの前にある母音は、口の中が狭く、口の中の前寄りで発音されることが、―ngと区別する大きな特徴です。
  3. -ng:
    • ngは日本語の「アンガイ(案外)」の「ン」(舌先は最後に口のどこにも当たらず浮く感じ)の要領です。舌の付け根をもり上げるようにし、口の中の奥寄りを広くして、鼻にかかるような気分で発音します。ーnに比べやや長めに発音され、―ngの前にある母音は口の中の奥寄りで発音されます。

2.具体的な発音方法

単独で音節をなす場合のピンインの表記が変わるので気をつけてください。

ID母音カテゴリ発音↓単独で音節をなす場合のピンイン表記日本語のイメージ注意点
H11n_1an アン 
H13ng_1ang アーン 
H21n_3ianyanイエンaは「エ」の音に近くなります。「イアン」ではなく「イエン」のようになります。
H23ng_4iangyangイアーンian(イエン)に対して、-iang(yang)はそのまま「イアン」と発します。
H31n_5uanwanゥアン 
H33ng_7uangwangゥアーン 
H37n_7üanyuanüエンü(「ゆ」の口で「い」という)に「エン」をつける。aが「エ」に近い音になるので注意。
H12n_2en ェン eはあくまでも単母音e(あいまいな口で喉の奥から「オ」)ですが、nとくっつくと「ェン」のようにeは「エ」に近い音になります。
H14ng_2eng ォーンこのeは、本来の単母音e(あいまいな口で喉の奥から「オ」)に近い音で発音されます。単母音eと同じなので口の中は広く、「オン」と発します。口の形は微笑む感じで。 ※上のH12「en(ェン)」との違いに注意
H32n_6uen(-un)wenウェン uenだけで音節をなす場合はwenと表記。 子音+uenのときは、eを書かず「子音+un」と表記します。 (第一声、第二声のときはoが弱く発音されることが多い。人によってはこのeを全く発音していないように聞こえる場合もある) 例えば、村(cūn)の場合、c+uen と発音する人もいれば、c+unのように発音する人もいる。ご自身でしっくり来る方で統一しましょう。 ※ここではeは「エ」の音に近くなります
H34ng_8uengwengウォーンu + eng。「ウ」にH14のengをつけて発音します。
H15ng_3ong オン ①頬を狭めてo + ②ng この2要素を繋げて発音します。
H25ng_6iong yongイオーン ①ü + ②頬を狭めてo + ③ng この3つを繋げて発音します。 ※iongという綴りですが、最初の音はüですので、注意してください。また、子音がつかないときはyongと綴りますのでこちらも注意してください。 ※中国語教育の分野において(指導者や市販の教科書)では「ü + o + ng」と教えるものと「i + o + ng」と教えるものが見られます。ここでは前者を採用しています。
H22n_4inyinイン 
H24ng_5ingyingイーン 日本語で「院外(いんがい)」というときの「ン」をイメージします。舌の付け根がもり上がるはずです。 (ネイティブの音声を聞くと、iからngへ移行するときに「ウ」のような音が聞こえることがあります。発音するときに、少し「ウ」を入れるとよいでしょう。)
H38n_8ün üンü + ン の意識で発音します。しっかりとüを長く発音するのが重要。 (üからnに移行する際に、間に日本語の「イ」を経由するとよりきれいに発音できる。)

3.役立つ参考情報

以下、YouTubeで公開されている動画を厳選しています。様々な角度から、色々な先生やネイティブの方々が独自の方法で説明しています。自分にしっくりくる説明を探してみましょう。

(1)語林:中国語発音「anとang、聞き分けるコツは口の前、後にあり」 
(2)ネイティブ蘭ちゃんとChinese:鼻母音16個
(3)李姉妹CH:絶対上達する発音のコツ 

(こちらは1つ目よりかなり詳細に説明がされています。)

(4)加藤徹先生:鼻母音
(5)日本人のための中国語発音完全教本

以上です。加油〜!

ーーー以上(学習内容はここまでです。辛苦了!)ーーー