中国語独学完全マップ(BCP方式)の目標・学習計画

学習コンテンツ

以下、PART1で「中国語独学完全マップ」の目標設定と学習計画(勉強法)の全体像、PART2で具体的な使い方について説明します。

PART1.中国語力の考え方

日本人に馴染みのある英語学習を例に挙げると、多くの人が中学や高校で長年英語を学んできたのに、なぜ会話できない(話せない、聞けない)のでしょうか?

以下、その理由を明らかにします。

1−1.中国語学習の習得理論 BCP方式(基礎能力→コア能力→実践能力)

中国語で“会話できる”力とは何でしょうか?

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当サイトでは、“話せる、聞ける”中国語会話の習得を目的にしております。

中国語会話の習得理論をBCP方式としてまとめています。図1にある発音と文法の土台である「基礎能力(Basic)」“話せる、聞ける”語彙力である「コア能力(Core)」を十分身につけた上で、実践を積むことでこれが、瞬発的に“使える”「実践能力(Practice)」に変わります。会話力は実践能力の一部です。

下から順番に取り組んでいく必要があります。中国語で会話できる力を伸ばすのであれば、「急がば回れ」です。まずは「基礎能力」を徹底的に固め、「コア能力」を高めることが優先です。

図1

コア能力とは、一言で述べると“話せる、聞ける”中国語の語彙・表現力です。

コア能力トレーニングでは、様々な語彙を含んだ中国語を使い、中国語の耳を作り、口を作り、さらには頭を作ります。

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1−2.BCP方式(中国語学習)の流れ

目指すべき実践能力(会話力)は、次のstepで高めることができます。

  • step1. 【B】基礎固め(発音と文法の基礎を固める)
  • step2. 【C】コア能力トレーニング(“話せる、聞ける”語彙を増やす)
  • step3. 【P】実践トレーニング(瞬発的に“使える”ようにする)

 一般的な中学高校の英語教育では【理論】学習や“読める”(見てわかる)語彙学習については十分行っていますが、step2の“話せる、聞ける”語彙を増やす【トレーニング】が決定的に足りていません。

“読める”レベル(見てわかる)を超えて、“話せる、聞ける”レベルの語彙力を身につけるには、その目的に特化したトレーニングを、正しい方法で一定の量を行うことが必要になります。

われわれは英語の義務教育でこれらをほとんど行っていません。それゆえ、沢山勉強(理論)したのに“使える(話せる、聞ける)”ようになっていません。

これから中国語を学習する場合は、こちらを踏まえて効率的に学びましょう。

【B】基礎能力トレーニング

まずは、発音を理論で学び、トレーニングを通じて身につけます。同様に、文法の基礎を理論的に学びトレーニングで“使える”ようにします。ここでは「瞬間中作文」トレーニングを行います。

【C】コア能力トレーニング

この「知っている」を「使える」ようにするには、たくさんの中国語に何度も触れ(反復)、中国語の耳を作り、口を作り、頭を作り、その養分を吸収する必要があります。

話せる、聞けるレベルで身についている語彙、単語、表現コア能力と呼び、以下のようにこの観点での語彙力を基に、Lv.20(5000語)までをレベル分けしています。コア能力向上には「音読ジョグ」トレーニングが効果的です。

中国語<学習自走力>を最短で身につける

ゼロから中国語学習を開始する方、また、学習経験者の方も、まずは中国語<学習自走力>獲得に向けて学習を進めます。

中国語<学習自走力>とは、効率的に話せる聞ける中国語力を伸ばしていける力です。中国語の発音と文法の基礎が固まり、音読ジョグ(音読、リピーティング)と瞬間中作文のトレーニングを適切に行えることを条件としています。中国語独学完全マップではおよそLv.06の地点となります。(詳しくはこちら※受講生用ページ)

【P】実践能力トレーニング

こうして、コア能力を一定レベルまで高めたら、これらを状況に合わせて、且つより瞬間的に“使える”ようにするために実践トレーニングを行います。実践トレーニングには、会話トレーニングや読書、ドラマ鑑賞などがあります。

コア能力との違いは、目の前の状況に合わせて、その場で初めて聞くことを理解し、その場に合った内容の発話を瞬発的に行う点です。

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中国語学習は、上述の基礎能力、コア能力、実践能力という構図で、初心者から、上は上限ないレベルまでを考えることができます。

まずは、発音と文法の基礎固めをして、“話せる、聞ける”語彙を増やし、それを瞬間的に“使える”ようにトレーニングしていきます。

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PART2.中国語独学完全マップ

以下を読めば今から最も効率的に中国語学習を始めることができます。

2−1.学習の流れ

2-1-1. タスク学習

「中国語独学完全マップ(本サイト)」とは、上述のBCP方式を基に、step1 基礎能力、step2 コア能力、step3 実践能力の学習内容をタスクに落とし込んだ学習コンテンツです。

※「中国語独学完全マップ」のタスクのうち、「基礎能力トレーニング」の学習コンテンツを本サイトで公開しています。これ以外にも、「コア能力トレーニング」及び「実践能力トレーニング」、さらには様々な語彙カテゴリを身につけるためのタスクがあります。オンライン中国語コーチングをご利用の場合、全てご利用にいただけます。

■タスク学習とは?

  • タスク学習とは、語学目的※に最適化されたタスクを単位とする自習です。
  • タスクは一つの明確な目標を持った30分〜1時間程度の学習における最小単位です。
  • タスクの小さな目標を次々とクリアしていき、中国語で“会話できる”という大きな目標を目指します。
  • タスクは、教え手がいる場合に、指示する学習の目標や内容が明確なため、コミュニケーションがスムーズになります。

※中国語が“話せる、聞ける”ようになる、HSK合格等、学習者ごとの語学目的。

■どのように学習を進めるか

まずは、PaoChaiレベルLv.01〜Lv.05(B000〜B077までのタスク)で「基礎能力トレーニング」を行い、発音と文法の基礎を固めます。

その後は、Lv.06〜Lv.20までは主に「音読ジョグ」で「コア能力トレーニング」を行い、耳を作り、口を作り、頭を作り、日常語彙約5000語を“話せる、聞ける”レベルで身につけましょう。コア能力は主に、「上手に音読(発音)できる」&「リピーティングできる」中国語の「難易度」と「長さ」を基にレベル設定しています。

十分にコア能力が身につけば、中国語は自己発展していくでしょう。目に入り、耳に聞こえるすべての中国語が、頭の中に用意された「中国語の部屋」に自動的に入力され、自動分類され、貯蔵されていきます。

この段階になるとCCTVのニュースを聞けば、時事中国語に強くなりますし、ビジネスの現場を舞台にした映画やドラマを見れば論理的で分析型の中国語により精通するでしょう。小説を一冊読み切ればグンと文学的表現力が増し、エッセイを読めば中国人の真理がさらに理解できるようになるでしょう。

Lv.10くらいまで来たら、後は実践の中で会話や読書など「使う」機会を設け試行錯誤することで実践能力(会話力)は伸びます。会話や読書も「実践能力トレーニング」として進めることも可能です。

■まず目指すべき到達点

まずは、コア能力日常語彙5000語(Lv.20レベル)を具体的にイメージして目指しましょう。

中国語学習においてまず目指すべき中国語レベル(コア能力)は、日常語彙約5000語レベルの中国語の音声をランダムに数秒聴いて、リピーティング(聴いた中国語を正確にそのまま発音)できるレベルといえます。

これができれば日常的な会話の土台ができているといえます。後は、会話や作文などの実践能力トレーニングで瞬発力をつければ、より実践的な中国語力になります

※コア能力があればHSK等の試験にも十分対応できますが、早期合格を目指すのであれば別途問題形式に慣れるための対策が必要です。

2-1-2. 個別タスクマニュアル

各タスクには「個別タスクマニュアル」があるので、これを参考に一つずつ「タスク内容(完了条件)」を完了させます。タスクを単位とした自習形式の学習を「タスク学習」と呼んでいます。

※日常語彙5000語(コア能力)まで合計で1000時間ほどの学習を想定していますが、この時間は集中して机に向かった時間です。だらだらと時間を過ごす学習はカウントしません。

①目標意識で効率的に

「個別タスクマニュアル」とは、各タスクの学習内容の説明です。「タスク目標」を確認し、何のためにそのタスクを学習するのか理解して進めましょう。一つの「タスク目標」に集中して取り組むことで学習効率が高まります。

②終わりを意識し、時間を測って効率的に

また、「タスク完了想定時間」内で成果を出すために時間配分に気をつけてください。明確な「タスク完了条件」があるので、そこまでをストップウォッチを使って時間を測ることで密度の濃い学習ができます。

③ポイントをおさえて効率的に

各タスクの「学習のポイント」をよく読んでタスク学習に取り組んでください。効率的に成果が出やすくなります。

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2-1-3. タスク一覧表

■個別タスクマニュアル

基礎レベルのB000〜B077の「個別タスクマニュアル」はこちらの「タスク一覧表」 から各タスクIDをクリックすると参照できます。

タスクの学習は一つずつこちらのタスク表から「個別タスクマニュアル」を参照し進めてください。

2-1-4. 2種類のタスク

タスクはその学習形式から次の2種類に分類されます。

  • 理論
  • トレーニング

【トレーニング】>>【理論】を理解しましょう

重要なのは“使える”中国語を身につけるための「トレーニング」のタスクです。「理論」のタスク(例えばB002は「四声」の理論)は基本的に、次の「トレーニング」のタスク(例えばB003は「四声」のトレーニング)をスムーズに行うためにあります。

※泳げるようになるため、教室で泳ぎ方の本を読んで手足の動かし方を学ぶのは【理論】です。これだけでは全く泳げるようにはなりません。より多くの時間を、実際に水の中に入り、【トレーニング】することに使う必要があります。語学で言えば、意味を理解して、発話したり、聞いた内容を理解することです。

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2-1-5. サイクル数

各タスクはそれぞれ複数回繰り返し(サイクル)行う必要があります。一度やっただけでは身につかないので、時間をあけて繰り返すことで確実にものにします。

何回ほど繰り返すべきかの目安は、各タスクの説明の冒頭に「推奨サイクル数」として書かれています。

1サイクル目

2サイクル目 翌日

3サイクル目 2日後

4サイクル目 3日後

5サイクル目 4日後

6サイクル目    1週間後

7サイクル目 3週間後

8サイクル目 6週間後

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 2-1-6. 単語学習について

「中国語独学完全マップ」では基本的に、一般的な単語帳を使った練習・トレーニングは行っておりませんが、出会った新しい単語をノートにメモしていきましょう。

最低限、「漢字、ピンイン、一つの代表的な意味」の3要素をメモすれば十分です。

(例:漂亮、piào lianɡ、美しい)

  1. 漢字
  2. ピンイン
  3. 一つの代表的な意味

Lv.01は発音に集中するため、Lv.02からメモと定期的な復習を開始しましょう。

理由は、①一定の文脈の中で単語を理解すると記憶しやすい、②一定数の単語が身についていない状態で単語リストを読むだけでは覚えられないからです。詳しい背景や具体的な方法はこちらの記事に書いていますのでご一読ください。

また、早い段階で辞書をご購入することをおすすめします。ネイティブの音声が聞けて、どこにでも持ち運べるアプリがおすすめです。辞書選びの基準についてはこちらを参照ください。

2−2.開始前の準備

まずは、以下のページから教材と学習ツールを準備しましょう。

■教材とツール

教材とツール(詳細はこちら)

2−3.クリア基準について

■タスクのクリアについて

各タスクは次の2種類があることを確認しましたが、それぞれによってクリア基準が異なります。

  1. 理論
  2. トレーニング

1の「理論」タスクで、学習者自身で完全に理解したと思えばそれでクリアとします。(オンライン中国語コーチングをご利用の場合は、疑問点を明確にし腑に落ちるまでコーチに質問してください。)

2の「トレーニング」タスクについては、トレーニングの最後にその成果をテストしたものを録音し、適切な評価者に聞いてもらい、評価とフィードバックをしてもいましょう。

オンライン中国語コーチングをご利用の方は専門的に評価フィードバックします)

※音読であれば、ネイティブにとって自然な発音(誤解なく且つストレス(不快感)がない)という観点で判断してもらうのがよいでしょう。

※トレーニングのタスクは実際に発音したり、文法を使って瞬間的に中国語化し発話しますが、タスクの最後に自分の発音を録音します。一人で独学する場合は、ネイティブや上級者の友達に聞いてもらい評価してもらってください。難しい場合は、ご自身で自分の録音を見本と聴き比べて評価してください。

■レベルのクリアについて

各レベルに属する80%以上のタスクをクリアすればそのレベルをクリアとします。

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2−4.いくつかの注意点

  1. タスク学習は集中できる静かなところで取り組みましょう。ただし、発音や音読など大きな声を出して行う学習ができる場所が必要です。
  2. 「中国語独学完全マップ」では、中国語のコア能力を高めることに集中しています。徹底して効率的な学習を追求しているため(充実感があり楽しみながらできるように設計していますが)疲れてしまうこともあるかもしれません。また、学習初期段階から実際の中国語の使用場面に触れることは重要です。そこで、PaoChaiでは中国語レベルに応じたいくつかのおすすめの息抜き方法をご紹介します。参考にしてみてください。
  3. 個別タスクマニュアルには、オンライン中国語コーチングを想定して「コーチに質問してください」「コーチに提出してください」などの指示を含んでいますが、一人で学習する場合は自分で調べたり、自分のアウトプットをネイティブの音声と比較するなどして対応してください。
  4. 基本的にタスクIDの順番ごとに学習を進めていきましょう。また、各レベルについては、Lv.01、Lv.02と順番にクリアするのが望ましいですが、学習の継続が重要ですので臨機応変に対応しましょう。
  5. 「中国語独学完全マップ」では、独学でもできるだけ効率的・効果的な中国語を身につけるための学習コンテンツですが、独学にはそもそもリスクが伴います。こちらの記事に独学に生じうる4つの問題を整理していますので、十分ご理解の上ご利用ください。
  6. 「中国語独学完全マップ」では学校へ通ったり、先生に教えてもらう勉強も(一人で行うわけではないですが)独学の一部だと考えています。先生に習う場合も、自分(学習者)の勉強というプロジェクトの一部をサポートしてもらっているという姿勢を重要視しています。“独学”について、詳しくはこちらをご覧ください。

それでは早速、「中国語独学完全マップ」で中国語の勉強を始めましょう!まずはB000からですが、ここまでお読みになったみなさまは既にB000完了です。

加油!

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※学習時間は目安です。学習者によりさらに多くの時間を要する可能性もありますし、少ない時間で済むこともありえます。

※「中国語独学完全マップ」は中国語学習の学習効果や有効性、正確性、真実性等について一切保証するものではありません。

※「中国語独学完全マップ」の内容は日々改善しております。予告なく内容や構成が変更されることを予めご了承ください。