自由作文トレーニングの目的
中国語を話せるようになるには、「作文」トレーニングが効果的にです。中国語を話す場合、次の3ステップが必要になります。
- 概念化:日本語で言うことを決める
- 中国語化:日本語で決めた文を(単語と文法を使って)中国語にする
- 発話:音声として発話する
話す場合、「2」の中国語化の能力が重要視されがちですが、「1」の概念化も同様に大切なステップです。誰が何をしたのか等、何をいいたいか明確でない概念を中国語にすることはできません。
この「概念化」と「中国語化」を鍛えることができるのが、自分で書く内容を決める「作文」トレーニングです。
※もちろん、最終的には「1」の概念化を無意識に完了し、いきなり「2」「3」の中国語化、発話を同時的にできるように自動化するのが目標です。
作文トレーニングのやり方
1つのテーマについて、まず10文程度で日本語を作文し、それを過不足なく正確に中国語に翻訳します。
- “使える”語彙や表現の幅を広げることが目的なので、辞書を引いて積極的に書きたいことを書きます。
- 日本語をまず書くときは、主語述語が明確で無駄のない文にしましょう。
- 日本語から中国語への翻訳は、基本的に単語と文法ルールを使って変換してください。例文丸暗記や自動翻訳などは使ってはいけません。
- 日本語から中国語への翻訳は、日本語の意味を過不足なく忠実に翻訳してください。そうでないと、何ができていないのか、どこを間違えたのか確認できません。
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【注意事項】知らない語彙・表現はどうするか
日本語で作文し、それを中国語にする場合、知らない語彙や表現はどうすればいいでしょうか。
基本的には、次の方法があります。
①日中辞典を使う
②使い方を熟知している語彙・表現を使う
ただし、ここで注意が必要です。
自分が初めて表現する中国語を作文するときは、不自然な中国語になってしまう可能性があります。
これは主に、次のような理由によります。
①日本語の文を、単純に単語ごとに置き換えている
例えば、「泣き止む」というのを日本語の発想で変換すると、<停哭了>のような中国語になりますが、そのような表現は自然ではありません。(<不哭了>が自然)
また、中国語で<希望>を使う場合、日本語と異なり名詞を目的語に取れません。日本語の発想で、<希望你的帮助>というと間違いになります。(正しくは<希望你帮助我>という必要があります。)
②そもそも中国語でそのような言い方をしない
また、「生きがい」のような日本文化独特の表現はそれに直接に該当するものはありません(英語でもikigaiとなっている)。
ウェブで検索すると、<生活的价值>などいくつかの訳が出てきますが、本質が捉えられていないので正確には伝わりません。平たく日中両言語で、誤解を生まない語彙で表現するべきでしょう。
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それゆえ、日本語を中国語にする場合は、言語の違いを意識する必要があります。特に、日中辞典を引いて安易に単語を置き換えて翻訳しないように、辞書の例文をよく見て使い方を理解しましょう。
(3)なぜ日本語を書くか?メリットとデメリット
この「作文トレーニング」を行う場合、メリットとデメリットを理解して取り組みましょう。
メリット1:母語(日本語)の語彙力に近づけるため
自分が使える中国語の語彙を基に作文をすると、その語彙力に制限されてしまいます。日本語では使える表現を、簡単な言い回しで言い直したりすることも重要ですが、自分の「意」をできるだけ的確に表現することも大切です。まずは、制限のない日本語で何を言いたいか考えると、このような制限を受けません。
メリット2:自分で言いたいことなので、身につきやすい
自分で何を言う(書く)か内容を決めるので、作文の中身は自分が日常的に使う内容になります。普段、自分が使う表現を効率的に身につけることができます。
メリット3:学習効率が高まる
そもそも「何を書きたいか」という正解がないと、間違いが何なのか特定できません。
また、作文をする場合は、必ずネイティブに添削を受けるべきです。でないと、語法を間違った不自然な中国語になる可能性が高いです。
添削を受ける際は、できるだけ日本語がわかるネイティブに添削を受けるとよいでしょう。そもそも「何を書きたいか」という正解がないと的確な添削ができません。(強引に意図していない内容に添削されてしまうこともあります)
デメリット1:何でも日本語で考える癖がついてしまう
「日本語で発想していては中国語は身につかない、いきなり中国語で考えて、中国語で作文するべきだ」という考えもあります。しかし、上記のメリットがあるので、デメリットを把握した上で一定レベルまではこの方法を推奨しています。
デメリット2:不自然な表現になる
日本語から発想して、それを辞書などを頼りに中国語にすると、不自然な表現になってしまう可能性があります。
日本語と中国語は異なる言語です。日本語をそのまま中国語に置き換えることはできません。言語はその社会、文化、風土の中で時間をかけて成り立っています。日本語と中国語では必ずしもぴったりと対応する概念や表現があるとは限りませんし、厳密なニュアンスまで同じにすることは原理的にできません。
上述の注意事項を守って作文するか、ネイティブにしっかり添削してもらい自然な表現を身につけましょう。
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以上です。